八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.134


【掲載:2018/11/01(木曜日)】

やいま千思万想(第134回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

全国各地のホテル模様は今、大きく変化しつつある

 仕事上、各地のホテルを利用することが多いです。
宿泊はもちろん、ロビーやラウンジでの打ち合わせなどにも利用します。
行く先々でまず気になるのがホテル。観光でも仕事でも、どのようなホテルがあるかが最大の関心事。
その選択に失敗するととても気持の良くない日々となることは必然で、とにかく「私にとって最善の空間を保証してくれるホテル」予約が何よりも大切となっています。
よくホテルを利用するのは大阪、京都、そして名古屋、東京でしょうか。
その他の探訪地、観光地は年に数回というところです。
そういった地にはほぼお決まりの常宿がありますから、いつも心地良い滞在となっているのがとても心強く、安心です。

最近、困るのは京都での宿泊。
驚きなのですが一時に比べてその料金はビックリするほど高額になっています。
安全が保たれ、快適ならば高額でも宿泊したいと思うのですが、
ただ泊まるだけの観光客目当てだろうと思わせるような部屋の仕様、設備、接待、お料理(朝食)など工夫も無しといったレベルのホテルで想像を超える料金となっていれば「これは一体どうなっているの?」と感じてしまいます。
観光地ですから、相場がある程度変わるのは理解できます。
ほんと、京都を歩けば外人ばかり。その人たちの需要がありますから、金額も上がっていくのも理解できます。
でも・・・・・・ちょっとそれにしても高すぎるのではないかと。
私の常宿も最近高くなりすぎて泊まれなくなりました。
その料金は指導している合唱団や団体の負担となりますからつい気が引けて、初めて泊まるホテルを予約することになります。
常宿ならば、細かな気遣いがあり、フロントの方たちは私のことも知っているので、費やす時間も短く、気持ち良く部屋に入ることができます。
ところが、初めてとなるとそうスムーズに進みません。
サービスにもゆとりが無くいつもの倍ほどの疲れをチェックインの時に感じます。

 あるホテルの話を。上のような事情によって、私の常宿ではなくたまに利用している全国展開をしているホテルの話です(この話は石垣島ではありませんので、念のため)。
昔は部屋に入れば一番目に付くところに、ある本が置いてありました。
それは「聖書」です。その時も思ったのですが、この本あまり読まれてはいないのではないかと。
やはり年月が経ってみれば現在は置かれなくなっています。
もし、あるとしても目立たない机の引き出しの中で静かに読まれるのを待っている、といった状態。
今の時代を示すかのような象徴的な書になりましたね。
では現在はどうなっているかと言えば、簡単な使用手引き、付近の飲食店、居酒屋の紹介と割引券付きのチラシなどが置いてあるだけです。
さらに先日泊まった際にはそのオーナーの著書が置いてありました。
そしてその内容に少し驚き。時代の変化でしょうか、以前と異なる内容と感じて少し戸惑います。
ホテル、それは時代を象徴的に反映しているように思えました。





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