八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.167


【掲載:2020/03/26(木曜日)】

やいま千思万想(第167回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

世界的な広がりを見せる「新型コロナウィルス」対策について

   重たい空気が漂っていますね。
「新型コロナウィルス感染」の事です。
日々の話は「ウィルス」対策、その方法について。3月半ばの連休における集会が話題となりました。
自粛要請がある中、決行した興行の(ライブコンサートなどを含む)ニュースも話題でした。
今、我々が求められているのは真の情報とその対策を同時に識り、知恵を持ってこの世界的な危機を乗り越える「判断」でしょう。
これは人類への「試練」。一地域の問題を越え、地球規模による感染の広がり。
その中、連休の前に私たちの「マンスリー・コンサート」を開きました。「覚悟の決断」です。
会場である教会の協力なしでは成し得なかったこと、何と力強い後押しであったことか!考え得る限りの対策を取りました。
来られない方々のためにYouTubeの生配信も行いました。続々と入って来るコメントにまた励まされました。
今では演奏会をし終えたことで、安堵感と「音楽することの意味」をもう一度確認できた幸福感の中にあります。

 ドイツ首相の国民に向けてのテレビスピーチが話題になっています。
SNS」にはその日本語訳もあります。その要点を書き出して紹介します。
『現在、私たちは日常生活、公的生活、社会的な人との関わりの真価が問われています。・・何百万人もの人が職場に行けず、子供たちは学校や保育施設に行けない状況です。
劇場、映画館、店なども閉鎖。多くの疑問と不安を抱えてしまうのは当然です。・・政治的決定は透明性を持ち、詳しく説明されなければなりません。
理由を明瞭に解説し、話し合う。・・伝染病については、世界中が全力で研究、しかしまだ治療薬もワクチンも発見されていません。・・
感染し発病した患者は出来る限り手厚く看護されなければなりません。・・看護施設、病院などで働くあなた方の仕事は素晴らしい。心から感謝します。
・・ウィルス感染拡大を遅らせるために何をするべきか。私たちは公的な生活を中止することです。
・・しかし民主主義国家においては簡単に行われるべきではなく、一時的なものでなくてはなりません。
大企業、中小企業、商店、レストラン、フリーランサーは現在すでに大変厳しい状況。
しかし、何よりも皆さんの職場が確保されるよう、出来る限りのことをしていきます。
・・この伝染病が私たちに教えてくれています。
それは私たちがどれほど脆弱か、どれほど他者の思いやりに依存しているか、同時に、協力し合うことでいかにお互いを守り、強めることができるか、です。
・・社会は人を孤独にさせない様々な手段がたくさんある、私はそう確信しています。・・私たちは民主国家にいます。強制されることなく、知識を共有し、協力しあって生活しています。
私たちは理性を持って行動することで人命が助けられることを示さなければなりません。・・あなたの愛する人を守ってください。』

 内容は優しさと威厳に満ちています。
国民に向かって、向き合って、首相自らが訴えている。心打たれた私です。  

 



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