八重山毎日新聞社コラム

「やいま千思万想」No.189


【掲載:2021/03/11(木曜日)】

やいま千思万想(第189回)

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者 当間修一

この「コロナ禍」を絶好のチャンスと捉えて都市計画・モラルの再考を

  4ヶ月ぶりに東京に行って来ました 。
しばらく行けなかった理由はもちろんCOVID-19ですね。行きたいけれど行けず、それは音楽家としては辛いです。
演奏会の日は決めているのに練習に行けない。
本当の所、ロックダウンで徹底的にウイルスと闘い、押し込めて撲滅するのが良いとは思うのですが、
国の対応は成り行き任せのようで不確実、そして安心感なし、保障(支援金)も出し惜しみで中途半端、
最終的にはどこまでも国民任せとあっては私もメンバーもフラストレーションが溜まります。

 協力はしましょう。国からのお願いも聞きましょう。
でも、ここまで後手後手で場当たり的な、具体的目標が示されない政府の政策にはもうそろそろ我慢の限界を迎えています。
私たちは自身で収集して得た科学的な知見によって最善の対応策を取ることを確認して、先へと進むことにしたというわけです。
その期間が東京には4ヶ月かかった。
長いようでアッという間の時間の流れです。その期間、入院・隔離された方たちはどんなに不自由でお辛かったか、と想像します。

 さて、出かけて行った先は神奈川県川崎市。緊急事態宣言が再延長された地域です。
ホテルと練習場は今回その区域となりました(練習場確保は大変です。団員の努力にただただ感心し感謝に堪えません)。
東京都心にも出かけたのですが人の流れは少ないとは言い難く、むしろ多く感じてしまう程です。
若者たちが多いですね。そしてニュースにもなっていましたが、人が集まるとゴミのポイ捨てが起こります。
そのあまりの酷さに、街に住む人達は自主的にゴミをひらう「トング」を使ってゴミ拾い。しかし拾った後からまたゴミが捨てられる。
ポイ捨てする比較的若い人達。マナーにもウイルス感染にもあまり関心がなさそうで、 マスクはされているのですがどうも恐れはなさそう。
鼻出しマスクで縦横無尽です。出かけたい気持ちも華やぐ面持ちで羽目を外したいこともよくわかるだけに、それらを見るのは少し辛い。
でも、ウイルスを撲滅するためには、飲食やゴミ処理に象徴されるような行動思考でなく、皆で協力して闘いたいですね。

 そう言えば、街にはゴミ箱が無くなりましたねぇ。
環境汚染が叫ばれるようになった頃から無くなり始めました。
確かに、焼却施設や、廃棄汚染、一酸化炭素の問題。
その他有害物質の排出がきっかけであったように思われます。
私たち生活者としてはゴミ処理については地球全体の問題でもありますから積極的に取り組むことには賛成です。
しかし、街中からゴミ箱がなくなったことはもう一つの理由があったような・・・・・・。
記憶を辿ればゴミ箱が街から消えたのは、もう一つの問題、「テロ対策」から始まったように思うのですがどうでしょう。
この未曾有の「新型コロナウイルス」時代に際して、もう一度都市計画、安全策、人のモラルなど再考する機会と捉えたらどうでしょうね。
格好のチャンスだと思うのですが。

 



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