八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.147


【掲載:2019/11/12(火)】

音楽旅歩き 第147回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

皆さん、自己管理ってどのようにしていらっしゃいますか?

 毎日をどのように過ごすか。何をしなければならないか。
運動はするか。体調維持のために何をするのかなど、いろいろと計画を立てる必要がある現代人です。
手帳にせっせと書き入れ、それを取り出しては確認する。
見てはため息をついたり喜んだり、悲喜交交(ひきこもごも)ですね。

 手帳なんか使わない人もいるでしょう。私もそうなりたいものだと思うのですが、叶いません。
もう何かに手伝って貰わなければ人に迷惑をかけてしまったり、自分自身に後悔したり、過去にもこれからに対しても思い巡らすことなんて不可能だと知りました。
このコラムの原稿を書く際にも手帳がなければきっと続けては来られなかったと思います。もう一紙のコラムもありますからね。

 さて、自己を管理する方法はいろいろ有りましょうが、私はあらゆる方法を講じて徹底化したい性分のようです。
最初、スケジュールを記すのに用いたものは紙の手帳でした。
昔から工夫を凝らした手帳の種類は沢山ありましたが、若い頃はシンプルな形式を選んだものです。
最近の手帳は種類も更に増え、どれを選べば良いか本当に悩みます。

 少し話はそれますが、手帳をお使いの皆さんは一週間の始まりを日曜日にしていますか?それとも月曜日からにしていますか?これだって使い心地は変わります。
また、予定は最小限に抑えますか?それともできるだけ細かく、多くメモりますか?これらによって使う人間のものの捉え方、考え方が見えてきます。
その人の脳の働きが表れるということでしょう。
私が、紙の手帳からスマートフォンに換えたのはいつ頃だったでしょうか?以後スマートフォンが主役の座を奪い、今ではそれがなければ、どうにもこうにもいかなくなりました。
今使っているのはiPhone というモノなのですが、これが次々と予定を知らせてくれます。いや、押し攻めてくる感じです。
まぁそれだけしなければならないことがあるということなのですが、時にはそのような生活を、自分自身をシステム化したことに腹立ったり、苛立ったりするのですから全く以て可笑しなものです。
機器を使うことが好きな私はそのことも含めて一応満足はしているのですが、最近では昔使っていた紙の手帳も併用するようになりました。
一望できる便利さに気付いたことがその理由です。
また、文字って書かなくてはダメですね。漢字は忘れるし、記憶も定まりません。
人間の文字や絵を書くという行為は思いのほか重要な事なんですね。
ボタンの様なものを押せば勝手に文章を記してくれる便利さとは違って、効率の悪さはあるかもしれないのですが、人間はやはり書かなくては何かが衰えていくような気がしてなりません。
私の自己を管理する方法。
それは充電という煩(わずら)わしさに振り回されながらもスマートフォンを使い、また人間らしさが感じられ、頭脳を養うだろう紙の手帳とを併用すること。
・・・今も次々と〔予定〕の通知が鳴っています。  





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