「ファルセット(頭声)」時の声帯の生理
Column 新しい発声法を公開、そして実践に踏み切ったのは今から10年前、1986年6月でした。大阪ハインリッヒ・シュッツ合唱団の団員育成のために「合唱教室」として開講したのがその始まりです。 私の本棚には何十冊という発声に関する本が並んでいます。 開講する以前は悩んでいました。理解したいことが山とある、しかしそれらの本では解決しませんでした。個人的な経験上の話や枝葉末節なことばかりで 根本的事項に触れるものは皆無でした。 あきらめかけているところに2冊の本とのめぐり会いです。 私の提唱する発声法は、その本に準拠しながら、それらに述べられている理論を実践によって発展させようとするものです。 後に、これらの2冊の本、そして私が参考にしている文献を明記します。 |
「『ファルセット』への道(1)」の続きです。
「ヴォーチェ・ディ・フィンテ」と「ファルセット」の声域(声区)を詳しく示しましょう。(男声は1オクターブ下での音域で同じ区分となります)
「胸声区」
私たちが目指す「歌唱発声法」は「ヴォーチェ・ディ・フィンテ」によって達成されます。「ヴォーチェ・ディ・フィンテ」の声を「胸声区」「ファルセット(頭声区)」に広げていこうとするものです。
英語で'MIXED' VOICEとも呼ばれる「ヴォーチェ・ディ・フィンテ」、この声の特徴はこの呼び名が示すように「声がミックス」された、コーディネイトされたイメージとしてとらえると解りやすいでしょう。
練習法 その1
次回は関連した事柄として、「声の大きさ」声量についてです。
人間の耳は素晴らしく、また不思議です。この不可思議な器官についてもふれてみたいと思います。
「発声法」の道のりはまだまだ続きます。末永いお付き合いをお願いします。