第三章「第2回教会コンサート」を終えました

音楽監督・常任指揮者

当間修一 Toma Shuichi

久しぶりに(本当に久しぶりですね)書こうと思ってこれまでの文章を読み返してみたのですが、いやに硬いです。(笑)
内容はなかなかのものなのですが(笑)、あまり良く解らないかもしれませんね。
ちょっと気恥ずかしい思いでいます。

私が力を入れている団です。大事に、そしていち早く納得のいく演奏ができるようにとの願いから、慎重且つ着実に進めようとするあまり少し内向きになっていたかもしれません。
もっと外に向かって積極的に団について語ることをしなければなりませんでした。

ということで、「ちょっとそこまでは・・・・」というところまで、ギリギリまで(笑)、書いていこうと思います。
そのことで現状なる団の姿が見えてくるはずですし、又どういった進歩の仕方をしているのかを識っていただくことができるかと思います。
では、その事始めに先日終えた「第2回教会コンサート」の感想を書くことにします。

団は創立して3年、4年目を迎える時期となりました。
着々と進歩していると思っています。
今だから言えるのですが、第一回目の定期演奏会はドキドキハラハラの連続でした。
誠実な演奏はできたかなと思いますが、技術的、音楽的には本当に沢山の課題を残した演奏会です。
まずは始めてみること。体験してみること。そこからしか課題を本当の意味で識ることはできない、そう思っての出発でした。
発声の徹底、ハーモニーづくり、基礎的なアンサンブルの強化といったことの目的を定めての練習が始まりました。
練習回数も増えました。団員たちによる自主練習という形ですが、なんといっても練習しないで上手になるわけはありません。
強力に練習を推し進めていくといったリーダーはまだいませんが、その前段階での各団員のコミュニケーションづくり、どういった性格の人たちがいるか、などが解る時間を持てていることは重要です。
その結果は第二回目の定演で示せたのではないかと思うのですが(第一回目よりは上達したこと)、それと並行して、もう一つ演奏の場を持つことで更なる向上へと向かわせる計画を加えます。
年二回の演奏会。
これで取りあえずの体制が整いました。
もう一つの演奏会、それは「教会」で響くコンサートです。
ビクトリアという作曲家の名を冠している合唱団です。レパートリーからいっても演奏する場所に教会をというのは必然との思いです。
カトリック「五反城教会」のご厚意によってそれが実現しました。
その二回目が先日行われたわけです。

なかなか本論まで辿り着かなかったのですがここからです。(笑)
まず、本当に「名古屋ビクトリア合唱団」は上手くなりました。ハーモニーも洗練され、強化対象になっていたテノールも確実な成果を生み出すほどに成長したと思うのですがいかがでしょう。
ソプラノの音程の悪さも(こんなことを書いてしまってもいいですよね(笑))直りつつあります。
声もだんだんと揃うようになってきました。
バスは声量は無いものの(また書いてしまった(笑))、私は知的な感じがして好きなパートなんです。(依怙贔屓ですかね(笑))
アルトはしっかりとしてきました。(笑)なんとなく頼りないパートだったのですが今回の皆の面構えはなかなかのものだったと思っています。

さて、当日のリハ(ゲネプロ)に大阪から「大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団」の幾人かのメンバーに招集をかけました。
目的は一緒に歌って、声の立ち上がり、そして緊張感の維持、抑揚を付けるタイミングの計り方、息づかい、そして「気」を放つということの大切さ、を団員たちに実体験させることでした。
見事に私に届いてくる音楽はシュッツ・トーンになりました。(笑)
各パートに入ったシュッツ合唱団のメンバーは一人ないし二人といった少人数なのですが、私の耳に届く声は確かな核心の響きがしている声です。
当然、本番はシュッツ合唱団を抜いての演奏なのですが(笑)、少しは凜とした箇所もできたかなと思わせる成果でした。

そして、これからなんですが・・・・・・。(後に感想を聞いたのですが)
一緒に歌ったシュッツ合唱団のメンバー全員の感想が同じだったのですね。
「客席で聴いている時は美しく、上手になって、綺麗に整ったハーモニーに聞こえていたのだが、入ってみるととんでもなく・・・・・・しんどい」ときたんですね。(笑)
もうバラバラ、というわけです。
みんな好き勝手な音程、声量、抑揚。指揮なんて見ていない・・・なんですって。(笑)
特に、シュッツ合唱団の主要メンバーが言っていた感想が強烈です。「もう昔々、忘れかけていた大学の時の悪夢の雑唱(*合唱でなく雑な合唱という意味で私がよく使います)が蘇った」。
これきついですが、まぁそうだろうなと思ってしまった私。(笑)
実はシュッツのメンバーを大阪から呼んだ真の意図はここにありました。

「アンサンブル」とは?

これを頭ではなく、実体験で識って欲しい。
体で感じて欲しい。理屈ではなく、知識だけではなく、体全体で結果として表現できる業を体得して欲しい。
これが今回の土団場で私が団員に教えたかったことでした。

これらを追求する練習はこれからも続きます。
きっと次回の演奏会(第4回定期演奏会)では少しなりにでも成長している団を見ていただけるものと思っています。(そうだと良いのですが・・・・・・(笑))

ちょっと長くなっていますね。
もう一つ書いておかなくてはならないことがありました。
それは聴きに来て下さったお客様のことです。
本当にとても素敵なお客様でした。
去年は、教会での演奏会に慣れていらっしゃらないのだろうなぁ、との思いが残ったのですが、今回は温かい拍手、そして何よりも音楽を楽しんでくださっているお客様が多かったように感じました。(体調のこともあって座っての指揮になってしまい申し訳なく思っております)
ついつい私も調子に乗ってしまったところもあったのですが、とにかく「ご一緒に会場に居るんだ」と熱くなる思いを持たせていただけたとても素敵な(何度も書いていますが)お客様でした。
これからも期待に違わぬ合唱団活動であるようにと努力する次第です。

ありがとうございました。

これからのご支援、ご声援を心から願う私です。
これからもどうぞよろしくお願いします。

(私のお喋りが長かった、とのご意見もアンケートにありました。〔喋ることで親密になれた、という意味のご意見もありました〕会場が底冷えしていく中、心地良さを妨げることになってしまっていたとしたら心痛の思いです。できるだけ来ていただいたお客様と「コミュニケーション」を、と思う私の行き過ぎだったかもしれません。「コンサート」の在り方について深く考えてしまう私です。もしよろしかったらこのコンサートの少し前に書いた私のホームページhttp://www.collegium.or.jp/~sagitta/ocm_homepage/html/meinung.html
の拙文「聴衆と幸福な時間を共有する条件とは」をお読みいただければ嬉しく思います)

当間先生のホームページ
Toma's Home Page Abemaブログ