八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.187


【掲載:2022/2/13(日)】

音楽旅歩き 第187回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

「AI」は人間にとってどう必要となるか。武器にだけは使ってほしくない!

    日々驚いたり、呆れたり、不安や恐れを感じることが多い今の時代です。どうでしょう?
それらが人間の苦手な仕事を瞬時にやり遂げたりする機器の話題とか、
とんでもなく誰が観たってバカげたこととしか映らない悪ふざけで危険な行動だったり、身体を脅かす誹謗中傷だったり、
命に関わってくるようなフェイクニュースに振り回されたり、とにかく現代は人類史上大きな分岐点となる時代だと私は思っています。

 音楽家として言わせて頂ければ、近年コンピュータが作曲する。そして編曲も。
以前は五線紙に一音一音書いていったものですが、今ではそういった作業をする作曲家は少ない。
先ずコンピュータを扱えないと作曲家になれないのでは、と思うほどコンピュータ使用は日常化しています。
確かに手書きは大変だし、出版時の手間暇を考えれば全く「時代後れ」でしょうが、大事なものを失ったのも確かです。
大曲ならばコンピュータを使おうと思いますが、小曲ならば手書きが良いと思う私です。

 コンピュータは凄い!です。人類を大きく変化させました。
出始めた頃にはただ驚きと期待感とが入り混じり、未来も明るく照らしている機器になると思ったものです。
それ、今はもう昔のこと。現実はもっと違う話に繋がっています。それは[AI(人工知能)]。
今ではとんでもない事になっているようですね。想像を遙かに超えてそれは〈恐ろしく驚愕させられる〉ことに応用されている。
戦争も人と人とが対面で戦わず、AIによる武器で戦う。
戦争に使われると人と人との闘い(殺し合い)ではなく、AI武器と人、AI武器とAI武器との闘いになっている。
この様子は「情報公開(開示)」を民主主義の骨幹と捉えているアメリカ合衆国から発信される。
アメリカはこの分野でも最先端を走っているのですが、しかしそのアメリカがどうしてそれらのAI武器を威信をかけて開発するのか?
対する大国(中国やロシア)への疑心暗鬼からで、戦争時を意識しているからですね。
AI武器、それは本当にゲーム的な戦争ツール。人として大事な感情がなく、ゲーム感覚で人を殺すことができる。
その精密、緻密な武器のコントロールは背筋が凍るほどの攻撃力を持っています。
想像を超えるAI世界は止めどなく対立と競争を突きつける。
もし、間違ってAIが命令し、スイッチを押したならば地球は一瞬にしてあとかたもなく消えてなくなる。
愚かな人間世界でありませんように。
どこまで進む、科学力。どこに至っても〈平和のために開発〉されるべきですよね。
いくらAIが人間を超えるような水準になったとしても(すでにある分野では超えています)、
「自然」の変動、災害にはAIはまだ勝てない、というのが結論でしょうから。

 〈きな臭い〉話から離れましょう。
軍事に使われる精度にはほど遠いでしょうが、今我々が使っているコンピュータは人間の仕事のサポート役で不可欠。
「破壊」でなく、どこまで「創造」に役立てられるか、それが核心です。





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