八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.195


【掲載:2022/7/24(日)】

音楽旅歩き 第195回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

「忘れてはならないこと」は「間」をおいて思い出してみることが「記憶」

  忘れる事が多くなりました。それも先ほどの行為をも忘れていることがあると、ふと心配になります。
年を取ってくると「忘れる」は「認知症」ではないかと不安を抱く方が多いらしいです。
事実調査に依れば本当に増えているという報告があります。
また、それに対して「予防」も」できるということも判ってきていて「生活習慣」に気を付ければ快復も予防もできるという研究発表もあります。

 まぁ、結論的に言えば 
1)「睡眠」、
2)「栄養」、
3)「毒性なものを摂取しない」、
ということに成るのだそうです。
睡眠6時間はリスクが高く、適切な睡眠時間は1日7〜8時(8時間を越えても良くないらしいですよ)。
食べ物に関しては沢山の料理法と健康との関係についての本が出ていて、全体に彩り豊かな食を摂れば健康を保つことができるとの理解は深まっていますね。
ただ、現実的にはそれらの料理を毎日考え、工夫しながら作ったり、食べるということはなかなか難しいと思うのですが、如何でしょう。

 「毒性」とはなにか、ものの本によると、住まいの中には多くの菌がいるそうです。その代表格が「カビ」。
そこかしこに眼には見えない「カビ」が居るそうで、家のお掃除をマメにし清潔に保ち「カビ」を遠ざけること、この三つを守れば大丈夫なのだと。
生活習慣改善と栄養補給を中心とした治療プログラムがアメリカで開発され、驚く程の成果をあげているそうです。
今日のテーマを「認知症」にしようとした訳ではないのですが、勢い、書き始めがそうなってしまいました。

 「記憶」するということについて書きたかったのですね。
記憶のメカニズムは判ってきていますが、記憶を脳の深くに刻み込むには、「時間をおいて何度か思い出す」という方法が良いようです。
「記憶」をイメージし易く言えば、記憶したいことは脳の表面から脳の深部へと溜め込む仕組み。
脳の深部へと行く前に表面で十分に保つ方法を怠ると、長く「記憶」できない、と言うわけです。
身に付けるためには、意志的に何度も思い出してみるのが良い。
メモを時折見るとか、関連付けられる物や言葉にして何度か繰り返す、それも間を空けて(数時間でも良いし、週単位でもよいですね)。

 日本人は「物(事)を忘れる」ことに長けています。これはきっと日本の風土に合っているからでしょうか。
台風や地震といった「忘れがたい災難」から身を守るために、次々と襲ってくるものに対して嘆くことに時間をかけるより、早く修復することへの繰り返し、
そして一種の諦めの気持ちがそのような性格を生んだかもしれない、と私は思っています。
実に日本人はしっかりと「忘れる」。
忘れて良いものと、忘れてはならないものとが一緒に、ごっちゃ混ぜとなる!天災ではなく、人災については絶対に忘れてはいけない。
そうしなければ、防ぐことができる事でもまた「人災」を繰り返してしまう。
最近起こっている様々な事件(人災の要素が強い)、間を置いて思い出さねば!





戻る戻る ホームホーム 次へ次へ