八重山日報コラム

「音楽旅歩き」No.199


【掲載:2022/10/02(日)】

音楽旅歩き 第199回

「大阪コレギウム・ムジクム」主宰 指揮者  当間修一

この季節はまたまた玩(もてあそ)ばれ、楽しませられる時期でもありました

  この時期、私の携帯電話が変わります。唯一の趣味と実益を兼ねた恒例の行動です。
私の場合はiPhoneというスマートフォン、そしてApple Watchという腕時計がその対象。毎年秋になると新しいバージョンが登場します。
結構高価な品物。別に毎年変える必要などないとも言えるのですが、つい私は新しさに吊られて買い換えをしてしまいます。
日頃の忙しさによるストレス解消に結構役立つのですね、これが。
家人などはあきれ顔で見過ごしてくれてはいるのですが、少しばかり私自身「よくやるよなぁ」と呟く時期でもあります。
楽譜を見るのと同じほどの集中力で、どんなに疲れていても新しくなったガジェット(電子機器)に向かって設定を行います。
この手のものは、「説明書」に書いてあるようには簡単にいかないもの。
直ぐに問題なく早く作業は終わるように書いてあるのですが、いざ仕始めると色々と問題が起こります。
よくもまぁ、それに付き合っていると思うのですが、ついつい諦めること無く延々と、そして淡々と遂行してしまいます。
夜に始めると、すべて終わるのに次の日の夕方までかかってしまいます。
一番時間がかかるのが、古い機器のバックアップ。時には8時間から10時間かかります。
ですから寝る前にバックアップを開始する、ということになります。
長い時間かかるということはそれほどに新しい機器に移行しなければならないデータ量が多いと言うこと。
古い機器をホント良く使っている、ということでもありますね。たった1年という間に、です。
私の場合、全ての情報がそこに記録されているといって過言ではありません。
スケジュールから備忘録、ニュースの記事から、ちょっとしたエッセイまで記録してあります。
時間が来れば振動と共に「早く仕事しなさい」とばかりにお知らせがきます。
楽しめるものとして、最近では手洗いなどすると「よくできました!」と腕時計が褒めてもくれます。
可愛い相棒といったところでしょうか。
ツイッター(Twitter)やフェイスブック(Facebook)への投稿などスマートフォンがなければ読むことも発信することもなかったと思いますね。
世界はとんでもない時代に入っている、というのが70代でガジェットを使い倒している者の偽らざる感想です。

 40代でコンピュータを知って以来30年間にどれだけ進歩?したことか。
世の中全てが、紙からカードや電子機器に変わっていこうとしていることに付いていける高齢者ってどれほどいらっしゃるか。
現代では、赤ちゃんがオモチャ代わりに使う時代です。
幼い子どもたちが既に使いこなしているのを見るに付け、もし電気が使えなくなったり、止まったり、
また中央のサーバーが故障などすればどうなってしまうのだろうかと、空恐ろしく思ってしまいます。
最近では銀行などで発生し、その混乱振りに危機感をもったばかりです。
そんな時代に、原始時代からずっと続いている殺戮(さつりく)。
戦争によって進歩した機器たち。また深く考え込む私です。  





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